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[Columns]「団塊の世代」の余波ここにも? 男ばかりのシニアの会にも悩み

久しぶりに出会った60ン歳、サラリーマンOBの旧友が、ヘンにそわそわしながらこう言った。「僕、これから料理教室に出かけるよ」。
 エッ、と驚いて詳しく聞いてみると、彼の住む町にシニア世代の男性ばかりを集めた市民活動団体があって、そこで英会話にも挑戦中だという。しかもその名は「男の居場所」の会とか。大いに興味をそそられて後日、料理教室の会場=写真=を訪ねたら、公民館の一室にシニア男性ばかり10数人が入り込み、食材を切ったり煮込みをしたり奮戦している。しかも、冗談飛びかう和気あいあいのいい雰囲気なのだ。もちろん、料理のあとには食事会が待っている。
 この会、もともとは京都の長岡京市にあるNPO法人・市民活動サポートセンターの呼びかけで2001年にスタートしたが、2004年に任意の親睦団体(同センター内)として独立した。表向き「シニア男性の社会参画を促進する」というちょっといかめしい目標を掲げているが、その具体的スローガンを紹介すると「元気なおばちゃんに負けるなよ!」「奥さんから独立できる!」「粗大ゴミでなく社会貢献型資源ゴミになれ!」と、なかなか愛嬌がある。
 会員は現在、60〜86歳の男性ばかり30人(会費1ヶ月1000円)。元サラリーマン、公務員OB、自営業…と経歴もまちまちで、写真が得意な津崎晴功さん(64歳)、地元の観光・文化検定試験の創設に意欲的な川崎泰弘さん(62歳)などのほか、英会話、版画、ハイキングなどの特技を活かして活躍いるメンバーも多い。毎週開く定例会のほか、料理教室、楽飲会,探鳥会、版画教室、ハイキング、スポーツ・デーなどの催しを月に10回以上も設定し、参加会員の実費負担で実行している。
 こうした活動の目的について「シニア男性は、退職したりすると人との交流、趣味などもなくて家庭の中で粗大ゴミみたいになる方も多い。自分のためにも社会のためにも、これじゃいけないというのでこの会ができたんです」と説明するは、会長の岸本裕次さん(68歳)だ。今後は、国際交流、情報化社会対応、ボランティアなどにも活動分野を広げていきたいという。
 「男の居場所」のようなグループ活動への期待は、このところ全国的に高まり、関西を含む各地に多数の会が誕生しているというが、岸本さんらの当面の悩みは、実は意外にも来年以降の「団塊の世代」だという。「当会には今のところどこに住んでおられる方でも入会できます。しかし、会を機能的に運営するには、会員数があまり多くないほうがいいと思う。入会申し込みが急に増えたらどうしたものか…」というのである。会のあり方を見直さなければならなくなるか、入会制限するか、岸本さんらは今後真剣に選択を迫られることになりそうだ。(各務)


 
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