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[Kansai in Focus] 竹が森を食っている? 名産地での思わぬ猛威に行政、市民が緊急出動

あの発明王・エジソンが白熱電球のフィラメントに使ったことで知られる京都の「八幡の竹」。その八幡市をはじめとする京都府南部の市や町でこのところ、竹が異常に繁殖し、周辺の樹木や樹林に影響が出る事態となってきた。背景には、外国産タケノコの輸入増加や竹製品の不振による放置竹林の問題があり、その対策に京都府も本腰を入れ始めた。
京都は、建材やタケノコになる良質なモウソウチクなどの産地として知られ、府内に現在も6700ヘクタールもの竹林がある。このうち、1400ヘクタールが府南部の八幡、京田辺、久御山、宇治など14市町にあり、この地域を管轄する府山城広域振興局によると、森林面積に占める竹林の割合が府内平均の1.6%に比較して3.8%と高い。
また同局管内の竹林のうち、タケノコを収穫するタケノコ園は、平成15年時点で232ヘクタールあり、生産量も1904トン(出荷量1602トン)にのぼっている。
しかし近年、外国産タケノコの輸入増大や竹製品の利用減などによる収益性の悪化に、人手不足なども加わって竹林の手入れがあまり行われないようになり、放置竹林がしだいに増えてきた。
竹は15年ぐらいの寿命だが、非常に成長が速く増殖力があり、人が入って伐採したり手入れをしたりしないとどんどん増える。しかも、放置竹林の根は次々周辺の造林地に侵入し、地面の保水力を下げる。また、侵入地で芽を出した竹や枯れた竹が陽光や風をさえぎり背の低い樹木が育つのを妨げるようにもなる。その結果は里山をはじめとする森林資源の荒廃を招く。
こうした事態を防ぐ手立てとしては、放置竹林の拡大を防ぐための整備事業と、竹林の利用価値を高めるための努力しかない。そこで、同振興局がスタートさせたのが、モデル竹林を指定して市民ボランティアに参加を呼びかけての竹林整備活動だ。今年はすでに、5月と6月に管内の2カ所で職員や市民が参加しての整備を実施しているが、今月4日にも、山城町神童子のモデル竹林(10アール)で3回目の整備活動をおこなった。
この日は、公募した市民35人のほか職員や地元関係者も参加して、古い竹の切り出しなどに汗を流し、その竹ひよる竹炭作りなども体験した。
同振興局では、このほかにも、竹炭作りの体験実習(八幡市男山)、竹フェア(城陽市)などを繰り返し実施し、竹林に関する啓発を行っているが、市民サイドでも、竹林問題についての関心は徐々に高まり、「八幡たけくらぶ」といったボランティアグループも誕生。竹細工教室を開くなど竹文化の復興などに力を入れ始めている。
京都府竹産業振興連合会によると、現在、「竹材」などの関連業者は府下に約200業者あるが、建材、工芸品分野での京都産竹の評価は高く、高級壁床材など「付加価値の高い商品開発」で業界の復興を図ろうとどこも意欲的だという。竹製品需要の伸びと、行政も含めた啓発運動の着実な努力の結果が、やがてこの地方の放置林問題の解決につながることを期待したい。(各務)