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[Columns]明石大橋開通で四国に終夜コンビニが進出増、 近畿地建局長、関空中心のベイエリア開発を

98年の関西で最大のプロジェクト完成といえば、明石海峡大橋だろう。瀬戸大橋に続く2本目の四国との連絡橋で、99年春には尾道−今治の西瀬戸自動車道が開通して3橋時代となる。「瀬戸内海に3本も大橋がいるのか」「大橋の経済効果は」などの疑問、批判もあるが、建設省近畿地方建設局によれば、明石海峡大橋開通で四国が大きく変わり始め、大橋周辺で物流の大基地が生まれなど、高速道路ネットワークの広がりは人口動態や地域変化と密接に結び付いてるという。
近畿地建の竹村公太郎局長が関西プレスクラブの12月定例昼食会の講演で、スライドを使いながら、明石海峡大橋効果や高速道の効能を強調した。建設する側の話だから当然のことだが、道路や大橋建設を環境や騒音問題、即効的な経済効果などだけで見るのではなく、長期的な視点でその波及効果なども見てほしいというのだ。
明石海峡大橋開通で徳島市などが大阪都心から2時間圏に入り、ゆるやかに徳島県の住宅地の地価が上昇し続けている。バブル時代には急上昇しなかった地価が、大鳴門橋開通や淡路島の高速道路完成、明石海峡大橋開通などにリンクして上昇している。また、大手コンビニエンスストアが高知県で今年10店も一挙に初出店したという。近畿地建で聞き取りをしたところ「明石海峡大橋開通で24時間営業できる商品配達が可能になった」とのことで、四国ではこうした若者を対象にしたコンビニが増加している。
「大橋効果」は四国ばかりではない。山陽、阪神高速道路や明石海峡大橋に通じる西神自動車道布施畑JCT近くの神戸流通団地は1,300億円の民間投資があり、年間11,000億円の売上額で、一大物流基地になった。瀬戸内3橋時代に備えて、岡山や広島などでも大物流基地づくりがあるという。
同局長によれば、県民1人当たりの製造業粗付加価値額が全国一の滋賀県は、名神高速道と新幹線開通のころから急上昇して、北陸自動車道開通などもあって87年から全国一になった。「高速道ネットワーク効果」の典型という。
だが、高速道ネットワークも集中しすぎるとネックになる。大阪・吹田がその典型で、ここの混雑解消が新年度からの最大のプロジェクトになるという。吹田に流れ込む車を大阪を迂回して流す京奈和自動車道などを中心にした「関西大環状高速道」計画の促進だ。その先に「紀淡海峡大橋」と「関西空港を中心にしたベイアリア高速道ネットワーク」づくりがある。
景気対策として社会資本の整備への公共投資が目につくが、同局長は「社会資本の整備は100年ぐらいの長いオーダーで、経済のストックという概念も入れて見てほしい。行政もなにを作るかからなぜ作るかに重点を置き、説明責任も盛り込んだ法改正もした」と「変わる建設行政」も強調した。
新年度にはユニバーサルスタジオジャパン建設や関西空港第二期工事など21世紀に向けた関西の大プロジェクトも進む。「社会資本の整備も20世紀日本型から21世紀型」を生み出す20世紀の残り2年であってほしいものだ。(J)