KANSAI Close-up

[Columns]市民手作りのアジア図書館、蔵書11万冊に、語学教室も

アジアに関する本を市民一人一人がボランティアでコツコツと集め、16年目の今年、蔵書数が11万冊を超えた図書館が関西にある。大阪市東淀川区のアジア図書館だ。図書館といってもビルの2階から4階までを借り、フロアを本棚で仕切っているだけだ。スペースがもういっぱいで廊下や階段にまで本があふれている。アジアの入門書から専門書、日本語はもちろんアジア各国語の本、コミックや雑誌などもある。ここではまた、留学生を講師にアジア語学スクールも開いている。膨大な図書数とともにアジアを知り、学び、理解する施設としては最高との評判を得ている。
 図書館の運営は、民間人による任意団体・アジアセンター21(代表、山口一郎・神戸大名誉教授)が行っている。事務局の藤田充子氏の話では、20年ぐらい前、有志でアジアの勉強会を始めたのがスタートという。いまでこそ21世紀はアジアの時代と世界的にもてはやされているが、当時はだれも、伝統的にアジア志向が強い関西でも、アジアに目を向ける人は少なかった。アジアに関する本が不足していた。特にアジアの人の食べ物や着る物、住まい、歌や踊り、人気の映画は・・といった生活関連情報がほとんどなかった。これではアジアを理解できない。我々の手でまず資料集めから始めようとアジア図書館が発足した。81年である。アジア各国の駐日機関から寄贈もあるが、11万冊の8割は個人が寄せてくれたものだ。図書館は開架式。年間会費一口3,000円を払ってセンター21の会員になれば、無料で閲覧、借り出しできる。語学教室は85年に始めた。現在、20ヵ国・75クラス・約500人がアジアの言葉を学んでいる。これはまた国際交流の一環でもある。センター21は、アジア音楽祭、料理教室はじめ文化・生活体験ツアーなどアジア諸国との国際交流事業を活発に行っているのだ。そして95年には中国・大連市の日本語学校に日本語の図書、5,600冊を贈り、アジア図書館分館を開設した。 
 アジアセンター21は、今後財団法人化を図り、専用の建物によるアジア図書館・アジア会館を建設、アジアとの交流拠点の実現を目標にしている。しかし悩みは財源難。いま会員は約5,000人だが、これではビルの家賃支払いがやっと。このため97年に古本屋を開業し資金づくりを始めた。藤田氏は「アジアとの交流を望む多くの個人や法人の方に会員になっていただきたい」と呼びかけている。
 
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