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世界初!免疫不全ラット作製-京都大

 京都大学の真下知士(ましも ともじ)特定准教授らの研究チームは、免疫細胞をつくれない重症免疫不全のラットを作製することに、世界で初めて成功した。これまでは重症免疫不全のマウスをつくることが出来たが、重症免疫不全のラットをつくる技術は確立されていなかった。この成果は、米科学誌セル・リポーツ電子版に掲載された。

 同チームは、特定の人工酵素を使ってDNAから特定の遺伝子だけを取り除き、免疫細胞をつくれないラットの作製に成功した。これらのラットに、ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)、ヒトがん細胞、ヒト肝細胞を移植し、拒絶反応を起こさず増殖することを確認した。正常なラットに比べ、体重が30%軽く、細胞の増殖率が低いなどの特徴を示し、これらは重症免疫不全のマウスにはない特徴で、人間の免疫不全症に近い特徴であるという。

 ラットはマウスより体が10倍ほど大きいので、血液や胆汁、細胞を繰り返し採取することができるという。同特定准教授は「ラットは体が大きいのでマウスより扱いやすく、人間の体の構造に近いなど、実験用動物に適している。がん研究、幹細胞研究、移植研究、創薬研究などに幅広く活用してほしい」と話している。

 
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やや小さい方が重症免疫不全のラット(右側)
 
問い合わせ先 : 京都大学 大学院医学研究科 附属動物実験施設
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