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HIV増殖の仕組み解明-京大ら、エイズの新薬開発に期待

 京都大学の高折晃史教授らの研究チームは、エイズウイルス(HIV)の増殖を促す新たなメカニズムを発見した。同成果は米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載された。
 HIVは、感染すると自らの遺伝子を複製して増殖する。今回の研究では、HIVが細胞に感染した際、「Vif」というたんぱく質が、細胞周期の制御に関わる「p53」というたんぱく質に作用して感染細胞の分裂周期をウイルス複製に適した状態で停止させることがわかった。周期を止めることで、増殖率が約100倍に高まっていたという。
 これまでにも、Vifが、ウイルスの複製を阻害する「APOBEC(アポベック)3G」というたんぱく質を分解することによりウイルス増殖が進むことが知られていたが、今回の研究から、Vifが異なるメカニズムでもウイルス増殖を促していたことがわかった。
 同チームは、「HIVウイルス増殖の要因となるVifの様々なメカニズムが明らかになることにより、Vifをターゲットとした創薬開発が促進される」としている。
 
 
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