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世界初、ナス科植物の近親交配防ぐ仕組み解明-奈良先端大、果実栽培のコスト削減に期待

 奈良先端科学技術大学院大学の高山誠司教授らの研究チームは、ナス科植物が動物の免疫系によく似た多種類のたんぱく質を使い、近親交配を回避している仕組みを、世界で初めて明らかにした。この成果は、米科学誌サイエンスに掲載された。
 同チームは、家庭でも栽培されるナス科のペチュニアで、花粉と雌しべにそれぞれある受精に係わるたんぱく質を詳しく調べた。同じ個体や遺伝的に近い花粉が雌しべに付くと、雌しべが持つ毒素たんぱく質で花粉は殺され、自家受精しない。それ以外の花粉は、多種類のたんぱく質によって雌しべの毒素を解毒し、受精することを発見した。
 遺伝情報の近い仲間で交配すると、同じような性質の子孫が増え、急激な環境変化などに対応できなくなり、絶滅の危機が増す。子孫にとって好ましくない自家受精の回避は、遺伝的多様性を確保するために植物が持つ仕組みでもある。
 また、バラ科もナス科と同様の仕組みを持つと考えられ、リンゴ(バラ科)などの作物で、自らの花粉で受精するように品種改良すれば、授粉作業の手間が省け、生産コストの削減につながる可能性もあるという。
 
 
問い合わせ先 : 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科
電話/E-mail 0743-72-5450
URL http://www.naist.jp/