Vol.17 No.605 (2010年08月18日 水曜日)
関西経済連合会はこのほど、「ライブ・エンターテインメントを活用した外国人旅行者の誘致策の提案」を発表した。
東映太秦映画村(京都市)と協力し、日本語が分からなくても楽しめる忍者アクションや殺陣、京舞、能などを組み合わせた「日本文化ダイジェスト・ライブショー」(写真)を10月頃に大阪市内のホテルで、海外の旅行会社関係者らを対象に試験的に公演し、本格実施の可能性を探る。
また、伝統芸能に関心の高い外国人向けに、解説や実演を交えた能や文楽、着物や時代劇衣装の着付けなどの体験コースづくりや、関西のライブ・エンターテインメント情報を多言語で総合的に発信するポータルサイトの構築を提案している。
同連合会は09年に関西の集客促進や関西ブランド戦略の提言「はなやか関西」を発表。関西にあるブランド資源を「歴史文化」や「環境」などの4分野に整理し、「エンターテインメント」をその1つとした。今回の提案は、その具体案となる。
問合せ先:関西経済連合会 地域連携部
電話:06-6441-0107
URL: http://www.kankeiren.or.jp/
国際花と緑の博覧会記念協会(大阪市)はこのほど、「コスモス国際賞」の10年(第18回)の受賞者に、米国ワシントン大学生物学部名誉教授エステラ・ベルゲレ・レオポルド博士(83)=写真=を選んだと発表した。
レオポルド博士は、人間も、土壌や水、植物、動物を含めた共同体「土地」の構成員として、相互依存、相互作用の関係にあり、生態学的共同体の一員は、この関係を離れては存続せず、この関係を維持することにおいて自らの生命を継続することが可能になるとする「土地倫理」の考えに基づき、米国各地の自然保護活動に従事した。
なかでも、コロラド州のフロリサント化石層の保全に当たっては、同化石層に含まれる花粉を分析し、過去の環境を探ることによって保護の必要性を科学的に裏付けた。同化石層は、今では世界的に有名な国定公園となっている。
同賞は、「自然と人間との共生」というテーマで、地球的視点から優れた研究活動や業績を顕彰するもので、93年に創設された。
授賞式は10月14日に大阪市内で行う予定。
問合せ先:国際花と緑の博覧会記念協会 コスモス国際賞事務局
電話:06-6915-4513
URL: http://www.expo-cosmos.or.jp/
国際日本文化研究センター(京都市)は、国内で初めて、絵巻物などに描かれた妖怪の画像を収録した「怪異・妖怪画像データベース」を作り、インターネット上で公開した。(写真提供:国際日本文化研究センター)
同画像データベースは、民間で語られた怪異・妖怪に関する伝承を集積した文字情報「怪異・妖怪伝承データベース」(02年に公開)を補完するもので、同センターが所蔵する江戸時代から明治時代の絵巻物や浮世絵などの絵画資料100点から妖怪などの絵を抽出した1826件の画像データが登録されている。
検索画面に妖怪の特徴を入力すると、該当する画像を複数表示する。その中から該当する一つを選ぶと、名称や特徴、時代、地域、出典などが確認できる。妖怪の名称のほか、色や姿・形、しぐさ、手に持っている道具などでも検索可能。
同センターは、日本文化の歴史において重要な役割を果たしてきた怪異・妖怪文化を、日本文化研究の基礎資料とみなして、データベース化しており、日本文化に関心を持つ世界の研究者、一般の人々にも見てもらいたいという。
問合せ先:国際日本文化研究センター
電話:075-335-2222
URL: http://www.nichibun.ac.jp/YoukaiGazouMenu/index.html
奈良先端科学技術大学院大学の伊東広教授らの研究チームは、細胞外のシグナル(信号)を細胞内へ伝達する「Gたんぱく質」の働きを化合物が阻害する仕組みを、世界で初めて解明した。この成果は、米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載された。
Gたんぱく質はホルモンや神経伝達物質、光、においなどさまざまな細胞外のシグナルを細胞内に伝達する。これらのシグナルを細胞膜表面にある受容体が受け取り、受容体は細胞内でGたんぱく質と結合してシグナルを受け渡す。この受容体は人では1000種ほど存在し、現在使われている薬の半分近くが、この受容体を標的にしている。
研究チームは、血液の凝固を防ぐ化合物がGたんぱく質と結合することに注目。結合してできる複合体の立体構造を調べた結果、この化合物はGたんぱく質のくぼみに入り込み、ちょうつがいのような構造を開閉できなくして、Gたんぱく質の働きを妨げていた。人のGたんぱく質は約20種あり、くぼみの形が異なっている。それぞれのくぼみに合う化合物をつくれば、さまざまな病気の治療薬を開発できる可能性があるという。
問合せ先:奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科
電話:0743-72-5440
URL: http://www.naist.jp/
大阪大学の明石満教授らの研究チームは、化学薬品メーカーのネオス(神戸市)と共同で、ポリ塩化ビフェニール(PCB)を廃棄油から効率よく取り除く技術を開発した。今後、今年7月に同大学内に設置された共同研究講座(研究組織)で、1日5トンの処理能力を持つ実用機の開発を目指す。
PCBは電気機器の絶縁油などとして幅広く使用されたが、生体に対する毒性が強いことから、製造禁止となった。PCB廃棄物の保管事業者は16年までの処理が義務付けられているが、低濃度の廃棄油の処理は難しく、現在の技術では100年以上かかるとされている。
共同研究で、PCBを選択的に吸着する環状オリゴ糖誘導体を開発。環状オリゴ糖誘導体を吸着材として詰めた筒に、PCB汚染油を流したところ、PCBを全く含まない油を回収できた。吸着材からは、処理しやすい高濃度のPCB溶液が簡単に取り出せることもわかった。
今回開発された技術は、処理時間も費用も従来の技術の1割以下で、PCBの早期処理が可能となることが期待される。
問合せ先:大阪大学大学院 工学研究科 応用化学専攻
電話:06-6879-7356
URL: http://www.osaka-u.ac.jp/ja
廃棄物処理会社の日本ウエスト(京都市)は、古紙と廃プラスチックを主な原料とした固形化燃料(RPF)で、国内で初めてJIS(日本工業規格)認証を取得した。
RPFは紙とプラスチックを使用しているため、石炭やコークス並みの高い熱量があり、二酸化炭素(CO2)の排出量が削減できる。石炭に比べ価格は3割程度、灰化率も1/3以下のため、製紙、製鉄、化学産業などで、化石燃料に替えての利用が広まっているが、製造業者の増加に伴って不純物が混ざった粗悪品が出回ったため、経済産業省が業界団体や学識経験者の協力を得て、今年1月にJISを制定した。
同社は2000年から関西で初めてRPFの製造を開始。回収する廃プラスチックの原料確認などを強化するとともに、配合比率の調整によって熱量の精度を引き上げるなど高品質の製品を開発・製造し、JIS認証を取得した。
問合せ先:日本ウエスト株式会社
電話:075-604-1655
URL: http://www.japan-waste.co.jp/
徳島県三好市に活動拠点を置く競技ラフティングの女子日本代表チーム「ザ・リバーフェイス」が、7月12~17日にオランダで開催された4人制の世界大会で総合優勝した。ラフティングはゴムボートで激流を下るアウトドアスポーツ。4人制の世界大会は初開催で、リバーフェイスは初代世界王者となった。(写真提供:柏倉陽介)
大会女子の部は、短距離の「スプリント」など、3種目の総合得点を15チームが競った。
同チームは、2種目終了時点で総合5位だったが、最終日の長距離種目「ダウンリバー」で1位を獲得、逆転で総合優勝を果たした。
メンバーが活動拠点としている吉野川は、日本屈指の激流と言われ、水量も豊富で、ポイントによりさまざまな練習ができるという。
主将の阿部雅代さんは、「4人制の世界大会総合優勝は果たしたが、まだまだ課題は多い。今後も世界の頂点を目指して活動を続けていきたい」と話している。
問合せ先:有限会社サファリ
電話:0883-76-0745
URL: http://www.safari-g.com/index.html
ベンチャー企業のノヴァエネルギー(兵庫県三木市)は、潮の流れを利用して発電する潮力発電の実証実験を明石海峡で行っている(写真)。天候に左右される太陽光発電や風力発電に比べ、潮流発電は安定して発電することができる。
タービンは長さ6m、直径3m。羽根を3枚備え、藻や漂流物が絡まないようマグロに似せた流線形。潮の流れで回転する力を利用して発電する。1基で平均3ノットの潮流で10kWhの発電が可能という。実証実験では、同県淡路市岩屋沖に係留した船の両舷にタービン2基を取り付けてデ-タを収集。このプロジェクトは環境省の今年度の地球温暖化対策技術開発等事業に選ばれている。
将来は明石海峡大橋の橋脚に大型装置を取り付け、同大橋を彩るイルミネーションの電力を賄える300kWhを発電する計画や、黒潮を利用して原子力発電所1基分に相当する大規模発電施設を造る構想もあるという。
問合せ先:株式会社ノヴァエネルギー
電話:0794-83-0758
URL: http://www.nova-ene.co.jp/
1890年(明治23年)9月16日夜、 オスマン帝国最初の親善訪日使節団を乗せた軍艦 「エルトゥールル号」が和歌山県串本町樫野埼沖で 台風による強風と高波により座礁し、沈没した。多くの人命が失われた悲劇の中で、事故の知らせを聞いた大島島民の懸命の救助活動により69名が救出された。同島民が行った献身的な救助活動は、世代を超えてトルコの人々の間で語り継がれ、1985年のイラン・イラク戦争においてテヘランに取り残された日本人のトルコ航空機による救出へとつながり、日本・トルコ両国の友好関係の原点となっている。(写真:トルコ軍艦遭難慰霊碑・串本町)
日本・トルコ両国政府はエルトゥールル号の日本訪問及び遭難から120年目を迎える本年を「トルコにおける日本年」として位置づけ、トルコ国内において1年を通して日本文化紹介等のイベントが行われている。
9月2日には、串本町の姉妹都市であるメルシン市において、エルトゥールル号慰霊式典が開催される。和歌山は県をあげてこの式典を応援しており、一般参加も含め100名以上が出席し、交流を深める。
また、慰霊式典に併せ、2006年から2010年までの5カ年にわたって沈没海域から発掘されたエルトゥールル号殉難将士の遺品の里帰り展が同市で開催される。遺品展は和歌山県の紹介展示と併せ、トルコ国内4都市以上で開催される予定である。
問合せ先:和歌山県文化国際課
電話:073-441-2056
URL: http://www.pref.wakayama.lg.jp/
日本では、梨といえば、西洋梨と異なる林檎のような丸い形状が一般的。日本梨は果皮が茶色の赤梨と黄緑色の青梨に大きく分けることができる。鳥取県は梨の栽培で全国的に有名で、なかでも青梨「二十世紀」(写真)は日本一の生産量を誇る。
二十世紀梨は、1888年、千葉県松戸市で偶然発見され、1904年、鳥取県に導入された。この初めて同県に入った樹は、鳥取市内に健在で、親木と呼ばれ現在でも実をつけている。
二十世紀梨の特徴は、さわやかな甘み、みずみずしさ、そして、シャキシャキとした食感で、食物繊維を多く含み、体調を整える効果があるといわれている。特徴のある味は、輸出先の台湾、香港、アメリカなどでも人気がある。
さて、同県では次世代を展望した品種改良を積極的に行っている。赤梨「新甘泉(しんかんせん=「新幹線」と同じ読みなので、日本人にとっては親しみやすい。)」と青梨「なつひめ」は、生産量が拡大しつつある有望な新品種である。
「新甘泉」は、糖度約14%の圧倒的な甘さを誇る。「なつひめ」は、二十世紀梨よりも酸味は控えめで甘みが強く、爽やかな味が特徴。いずれも二十世紀梨よりも早く食べ頃を迎える。
二十世紀梨は、販売戦略上、8月下旬から出荷しているが、これらの新品種(特に「なつひめ」)を投入することで、本来の味となる9月以降に出荷することが可能になる。いわば品種のリレーによる出荷が実現することで、同県産の梨のおいしさがさらに向上し、取り扱われる期間が長くなる。
このほかにも、同県では、さまざまな梨が栽培されている。もうすぐ梨の収穫期。秋の風物詩、同県産の梨をぜひ賞味いただきたい。
問合せ先:鳥取県統轄監広報課
電話:0857-26-7097
URL: http://www.pref.tottori.lg.jp/
古い木造瓦葺の日本家屋やその町並みを保存し活用しようという機運が関西各地でも高まっている。しかし、京都市内中心部に12年前には3万軒近くあったともいわれる「京町家(きょうまちや)」でさえ減り続け、つぎつぎマンションや現代風住宅に建て替えられているのが現実だ。町家改修には経費がかかりすぎ、行政の出動も遅すぎたなど問題点も多いが、それでも今後の継続的な取組みと住人たちの努力や工夫によっては町家消滅の危機乗切りの可能性はまだまだあるように思える。
古い建造物や景観を残そうという動きは観光資源としての期待もあって各地で盛んだ。関西でも、国の伝統的建造物群保存地区指定などに刺激され、大阪市、大津市、伊賀市、姫路市などで行政や市民による住宅・町並み保存活動が活発だ。
とはいえ、古民家には古臭い、汚い、暗い、不便といった悪評もついてまわり保存へのカベになる。京都でも市や財団法人「京都市景観・まちづくりセンター」(電話:075-354-8701)が町家の外観調査やアンケート調査を実施しているが、03年時点で町家の約47%が居住専用、39%が住居兼事業所だった。また町家住人の70%以上が土地も所有し世帯主の70%が60歳以上だった。高齢化はその後も進んでおり、住人の65%が「そのまま住み続けたい」と思いつつ、半数以上が耐震性や防火性に不安を持ち、建物の維持・修繕費を心配している。
こうした現状を踏まえ同センターでは「ファンド」を立ち上げ、すでに「モデル住宅」の改修を終えて、いま寄付金など基金約1億円で一般町家への助成準備を進めている。また、ここでは、町家に関する市民からの相談が昨年度だけで539件もあり、町家で悩む市民がいかに多いかがうかがえる。
同センターや京都市によると、京町家とは、「戦前に市街化されていた地域に建つ伝統的な軸組木造建物」で、土壁、坪庭などを持つ瓦屋根の家…といった定義になるが、実は恐縮ながら筆者自身、京都・西陣の町家の住人だ。築70余年、町家住まいの悩みも共有し、業者の手で内装や屋根の工事を計3回も行ってきた。手間はかかるが「雰囲気が大好き」なので住み続けた。そして昨年、今度は自分自身の日曜大工で4カ月かけ、古い土壁、天井のままだった1階奥の和室、廊下、庭、物置などを改修した(写真)。かかった費用は外注の3分の1以下の数十万円。ちょっとキザだが愛着さえあれば、こんな手法もあるのだ。
京町家保存ではこの5月、米国の財団から地元NPO法人などに25万ドルの資金援助があり、行政からの支援体制もある。町家を借りて住みつく若者やその斡旋業者も多い。しかしその「最後の頼りどころ」は結局、そこに住んでいる者自身の愛着や誇り、努力などだと思うのだがいかがなものだろうか。(各務)
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