神道と工芸との関係は、祭礼や儀式における衣装・調度品類の調達にある。とりわけ京都には、かつて国によって祭りが行われた神社が多く、そうした祭礼に必要な衣装や冠・烏帽子などを作る「神祗調度装束」の技術が受け継がれ、現在全国需要の約9割を満たしている。社殿などで演奏される雅楽用の笙・ひちりき・笛などの雅楽器や太鼓なども昔から作られてきた。格式の高い神社のほか宮中からの需要もあり、京都の工芸品がその美や機能において最高の水準を求められたことは言うまでもない。そしてそれらの技術は歴史の変遷の中を生き続けてきた。関連業者の中には創業400年余りを数える店も見られる。
また神道と関西の工芸との関連で忘れてならないのは、伊勢神宮の「式年遷宮」である。これは20年に1回の周期で社殿を新築して宮を移し、神々を新しくよみがえらせる大祭のことであり、遠く飛鳥時代、天武天皇によって定められ、中断された若干の時期を除いて約1300年もの間受け継がれてきた行事である。その折には 714種、約1,600点もの神宝(紡績具・武具・文具など)や装束がすべて新調される。関西からは京都の西陣織や先に述べた神祇調度装束はもちろん、大阪の菅細工による菅笠や深江鋳物の神宝鏡などの工芸品が納められてきた。また遷宮に際して古式に基づいた製法が数年の歳月をかけて復元されることもあり、技術の伝承という点で寄与してきたところは大きい。名工たちは遷宮にまつわる製作に携わることに誇りと畏れを感じつつ、気迫をもって仕事に当たってきた。
伝統というものは、一度滅びてしまえば容易に復活することができない。「式年遷宮」の意味合いをひとつ工芸品に絞ると、その知恵の深さやスケールの大きさは測り知れない。 |
釣灯篭 (つりとうろう)
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獅子頭 (ししがしら)
祭礼や年始の 獅子舞で用いる。
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