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近世に入っても、関西はその地理的環境、古代・中世以来の技術的蓄積によって大きく飛躍していった。なかでも兵庫にあった生野・多田の金銀鉱山の開発が関西の経済開発に先鞭をつけ、地方の産業・特産品・工芸品の発展に大きく寄与した。さらに中世後期から徐々に生産されていた木綿(もめん)が大きくジャンプして、近世の衣料生産に革命的変化をもたらした河内木棉(もめん)が登場した。その後、関西各地に棉(めん)織業の発展をみるにいたるのである。
醸造業の発展も中世に引き続きみられた。京・大和の酒造に加えて、大消費都市「江戸」を見据えた伊丹・灘に一大生産地が形成された。さらに醤油業もめざましい。ことに紀州の湯浅に勃興した醤油業は、房総にいたって全国的展開をみせるにいたるのである。
関西は、あきらかに近世に入って新しい流通形態の形成とともに大きく飛躍し、全国をリードしていた。この歴史的証跡(しょうせき)が、現代関西に残る伝統工芸なのである。
* 大和(奈良県)
山城(京都府南部)
河内(大阪府東部)
摂津(大阪府と兵庫県が隣接する地域)
和泉(大阪府南部)
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