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響き
龍の秘密と瓶のミステリー |
■天井の龍が鳴く「鳴き龍」
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相国寺 |
京都の相国寺や天竜寺、妙心寺などには、天井に龍の絵が描かれたお堂があります。中でも相国寺の法堂では強く手を叩くと響きが長く残る現象があり、まるで天井の龍が鳴いたように聞こえることから「鳴き龍」と呼ばれていますが、この響きの原因は実は天井にあるのです。

相国寺の天井に描かれた龍の絵 |
二つの平面が平行した空間で発生した音は、平面の間を何度も往復し反射することによって微妙に重なり、特殊な音の波が生まれます。これが鳴き声となるのですが、この音は一方の面が少し湾曲していると、よく発生します。相国寺法堂の場合、板天井の左右にはそれぞれ、10cmほどのむくり(凸状の曲がり)があるとのこと。天井の龍は昔から声の秘密を知っていたのかもしれません。
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■能舞台のエコー現象
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能舞台 |
「響き」の話題をもう一つ。日本の伝統芸能である「能」。ご覧になった方もあるかと思いますが、ほとんどの能楽堂では、音響効果のために舞台下にあるものが置かれているのをご存じでしょうか。それはかつて台所にあったような焼物の「瓶」。これは昔、能舞台が野外にあったころの工夫とされ、瓶の中にそれ自体がもつ周波数と同じ周波数の音が当たると、中の空気が振動して音が再放射される性質を利用したものです。瓶の大きさや数・配置などには決まりがなく、縄で吊してあったりもしますが、瓶の口の部分はすべて舞台の中央に向けて同心円を描くように置かれ、音の反射器として最大限に働くよう工夫されているとのことです。
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| 瓶に音を当てたときの入射音と反射音 |
床下の瓶の置き方の一例
参考資料 十倉 毅「能楽堂の音響について」 |
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■もう一つの不思議 ウグイス張り
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歩くと「キュッ、キュッ」と床板がきしむ音がする寺院などの渡り廊下のことをいいます。これは、床板を張るときの「目鎹-めかすがい-」と呼ばれる留め具と床板の穴とが擦れ合う音で、その響きの美しさからウグイスの声音に例えられたのです。廊下の床板が長年の雨風で反ったり、人の往来から穴が広がったために自然に生じたとされています。(京都の知恩院や二条城、等持院などで見られます。)
ウグイス張りの音(10秒)
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